一般的に乳幼児がかかる病気として知られる突発性発疹ですが、ごく稀に大人が発症することがあります。その場合、子供の症状とは少し様相が異なり、より重く、つらい経過をたどることが少なくありません。子供の突発性発疹は、突然三十九度以上の高熱が出ますが、比較的機嫌は良く、熱が下がると同時に全身に赤い発疹が現れるのが典型的なパターンです。しかし、大人が初感染した場合、この症状がより深刻な形で現れる傾向があります。まず、発熱の期間が子供より長く、四十度近い高熱が四日から一週間程度続くこともあります。この高熱に伴い、激しい頭痛や関節痛、筋肉痛、そして強い全身の倦怠感に襲われ、日常生活を送ることが困難になるケースがほとんどです。また、首や顎の下のリンパ節が著しく腫れ、強い痛みを伴うのも大人の特徴的な症状の一つです。このリンパ節の腫れは、他のウイルス感染症、特に伝染性単核球症などと間違われる原因にもなります。さらに、子供ではあまり見られない肝機能障害を合併することもあります。血液検査をすると肝臓の数値が上昇しており、全身のだるさや食欲不振をさらに悪化させる要因となります。そして、熱が下がった後に出現する発疹も、子供より広範囲に、そして色濃く現れることがあると言われています。このように、大人の突発性発疹は単なる風邪とは比べものにならないほど全身症状が強く現れます。もし原因不明の高熱が続き、リンパ節の腫れなどを伴う場合は、稀なケースではありますが突発性発疹の可能性も視野に入れ、速やかに医療機関で診察を受けることが肝心です。