水疱瘡の跡を残さないための絶対的鉄則
水疱瘡にかかった時、親が子に、あるいは本人が最も気をつけるべきことは、将来に悔いを残さないためにも、皮膚に跡を残さないようにすることです。そのための対策は、病気の発症直後から始まっています。跡を残さないための絶対的な鉄則、それは「掻かないこと」そして「水疱を潰さないこと」に尽きます。言うは易く行うは難しですが、これが最も重要なポイントです。水疱瘡の痒みは非常に強く、特に子供にとっては我慢するのが困難です。しかし、ここで掻き壊してしまうと、皮膚の深い部分まで傷が及び、クレーター状の跡が残る最大の原因となります。痒みを和らげるためには、まず爪を短く切り、清潔に保つことが基本です。寝ている間に無意識に掻いてしまうのを防ぐため、手にミトンや手袋をはめるのも有効な手段です。また、医師から処方される抗ヒスタミン薬の飲み薬や、痒みを抑える塗り薬(カチリなど)を正しく使用することも大切です。体を温めると痒みが増すため、入浴は熱いお湯を避け、ぬるめのシャワーで汗をさっと流す程度にしましょう。石鹸を使う際は、ゴシゴシこすらず、泡で優しく撫でるように洗うことが肝心です。水疱が破れてしまった場合は、細菌感染を防ぐために特に注意が必要です。医師の指示に従い、抗生物質入りの軟膏を塗るなど、清潔な状態を保つ処置が求められます。ウイルス自体の増殖を抑える抗ウイルス薬は、発症から四十八時間以内に服用を開始すると、症状の重症化を防ぎ、結果として跡が残るリスクを低減させる効果が期待できます。水疱瘡はただ治るのを待つだけの病気ではありません。痒みとの戦いを制し、皮膚をいかに守り抜くかという、積極的なケアが求められるのです。