その発疹は本当に突発性発疹?似ている病気たち
大人が高熱の後に発疹を経験した場合、突発性発疹の可能性も考えられますが、実際には他の多くの病気との見極めが非常に重要になります。大人の突発性発疹は極めて稀であり、医師はまずより可能性の高い疾患を疑って診察を進めるのが一般的です。最も鑑別が必要な病気の一つが「風疹」です。風疹も発熱、リンパ節の腫れ、そして発疹という三つの症状が特徴ですが、発疹は熱と同時に、あるいは少し遅れて現れることが多く、突発性発疹のように解熱後にくっきりと現れるパターンとは少し異なります。妊娠初期の女性が感染すると胎児に影響を及ぼすため、正確な診断が不可欠です。次に考えられるのが「麻疹(はしか)」です。麻疹は高熱と咳、鼻水、目の充血といったカタル症状が先行し、一度熱が下がりかけた後に再び高熱となり、そのタイミングで発疹が出現します。発疹は癒合して大きな斑点状になるのが特徴で、感染力が非常に強い危険な病気です。また、「伝染性単核球症」も非常に紛らわしい病気です。EBウイルスによって引き起こされ、発熱、喉の痛み、リンパ節の腫れ、そして肝機能障害などを伴います。この病気の際に特定の抗生物質を服用すると、薬疹として全身に発疹が出ることがあり、これが突発性発疹と誤解されることがあります。さらに、単純な「薬疹」も常に考慮しなければなりません。風邪などで処方された薬に対するアレルギー反応として、発熱や発疹が現れることがあります。これらの病気はそれぞれ治療法や対処法、そして他者への感染リスクが大きく異なります。自己判断は非常に危険です。原因不明の発熱と発疹が出た際には、必ず医療機関を受診し、いつから熱が出たか、他にどんな症状があるか、最近薬を飲んだかなどを正確に伝え、専門家による診断を仰ぐことが何よりも大切です。