大人が突発性発疹と診断された場合、その治療は基本的に対症療法となります。原因であるウイルスに直接効く特効薬はないため、自身の免疫力でウイルスを克服するのを助けることが治療の主眼となるのです。最も重要なのは、十分な休養と安静です。大人の場合、四十度近い高熱や強い倦怠感、関節痛などを伴うことが多く、体力の消耗が激しくなります。仕事や家事などは休み、とにかく体を横にしてエネルギーの消耗を最小限に抑えることに専念してください。無理をすると回復が遅れるだけでなく、合併症のリスクを高めることにもなりかねません。次に大切なのが水分補給です。高熱によって大量の汗をかくため、脱水症状に陥りやすくなります。水やお茶、経口補水液、スポーツドリンクなどをこまめに摂取し、体内の水分と電解質のバランスを保つよう心がけましょう。食欲がないかもしれませんが、ゼリーやスープ、おかゆなど、喉越しの良いもので少しでも栄養を摂ることが回復を助けます。つらい高熱や頭痛に対しては、医師から処方された解熱鎮痛剤を適切に使用します。ただし、自己判断で市販薬を多用するのは避け、必ず医師の指示に従ってください。発疹については、通常は痒みを伴わないことが多いですが、もし痒みがある場合は、冷たいタオルで冷やすと和らぐことがあります。掻きむしると皮膚を傷つけ、二次的な細菌感染を起こす可能性があるので注意が必要です。周りの人への感染については、突発性発疹のウイルスは唾液などを介して感染しますが、ほとんどの大人は既に抗体を持っているため、過度に心配する必要はありません。しかし、乳幼児や免疫力が低下している人が家族にいる場合は、念のため接触に注意した方が良いでしょう。回復までの期間は個人差がありますが、焦らず、じっくりと体を休めることが一番の治療法なのです。