眼科医が語るものもらい再発の対処法
こんにちは、眼科医です。外来で患者さんとお話ししていると「ものもらいが癖になってしまって」という相談を本当によく受けます。多くの場合、その原因は生活習慣や体質によるものですが、私たち専門医は再発を繰り返す患者さんに対して、いくつかの重要な点を確認しながら診察を進めています。まず大切なのは、市販薬との付き合い方です。初期の軽い麦粒腫であれば、市販の抗菌目薬で改善することもあります。しかし、使用して二、三日経っても症状が良くならない、あるいはむしろ悪化しているように感じる場合は、自己判断を続けてはいけません。すぐに眼科を受診してください。薬が合っていない可能性や、そもそもものもらいではない別の病気の可能性も考えられます。眼科では、症状や所見に応じて適切な点眼薬や眼軟膏、場合によっては内服の抗生物質や消炎剤を処方します。膿が溜まって腫れが強い場合は、少しだけ切開して膿を排出する処置を行うこともあります。この処置によって痛みや腫れが劇的に改善することが多いのです。また、痛みのないしこりが続く霰粒腫の場合は、炎症を抑えるステロイドの注射が有効なこともあります。特に私たちが注意深く見るのは、同じ場所に何度も繰り返すケースです。このような場合は、マイボーム腺の機能不全が背景にあることや、稀な病気の可能性も否定できないため、より詳細な診察が必要になります。ものもらいはありふれた病気ですが、こじらせると治療が長引いたり、見た目の問題が残ったりすることもあります。痛みや腫れ、異物感といった不快な症状を我慢せず、おかしいなと思ったら躊躇なく私たち専門家を頼ってください。早期の適切な治療が、再発のリスクを減らすことにも繋がるのです。