子供が手足口病と診断された時、親が仕事との兼ね合いで悩むのが「一体、何日くらい休ませれば良いのか」という問題です。治るまでの期間も気になりますが、集団生活を送る上で、いつから登園・登校させて良いのか、その基準を正しく理解しておくことが大切です。まず、知っておくべきなのは、手足口病はインフルエンザやはしかのように、学校保健安全法で出席停止期間が明確に定められている「第二種感染症」ではない、ということです。法律上は「その他の感染症」に分類され、「登園・登校の基準は、医師の診断に基づき、学校医や園医の意見を聞いて、園長や校長が判断する」とされています。そのため、園や学校によって対応が異なる場合があります。しかし、一般的に多くの園や学校で採用されている登園・登校の目安は、以下の二つの条件を満たしていることです。一つ目は、「解熱していること」。発症初期の熱が完全に下がり、平熱で安定していることが大前提です。二つ目は、「全身状態が良好で、普段通りに食事がとれること」。これが非常に重要なポイントです。手足口病は、熱が下がった後も、口内炎の痛みが続くことがあります。痛みのために食事が十分に摂れず、体力が回復していない状態で集団生活に戻るのは、子供にとって大きな負担となります。ですから、本人の機嫌が良く、口の痛みがなくなって、いつもと同じようにご飯を食べられるようになってから、というのが基本的な考え方です。この基準で考えると、多くの場合は発症から五日から七日程度で登園・登登校が可能になることが多いでしょう。ただし、まだ手足に発疹が残っている段階でも、上記の条件を満たしていれば登園・登校は可能と判断されることがほとんどです。一つ注意点として、回復後も、ウイルスは二週間から四週間にわたって便の中から排出され続けます。そのため、集団生活に戻った後も、おむつ交換後の手洗いや、トイレ後の手洗いを徹底することが、感染拡大を防ぐ上で非常に重要です。最終的な判断は、園や学校の方針を確認し、かかりつけ医と相談の上、子供の体調を最優先に決定しましょう。