数日で治まるはずの蕁麻疹と熱が、何週間も、あるいは何ヶ月も続いている。そんな場合は、単なるアレルギーや一過性の感染症ではなく、体の内部に隠れた、より慢性的な内科系の病気を疑う必要があります。特に、自己免疫の異常によって起こる「膠原病(こうげんびょう)」や、稀な「自己炎症性疾患」などが、その原因となっている可能性があります。膠原病とは、本来、外部から侵入した異物を攻撃するはずの免疫システムが、何らかの理由で自分自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう病気の総称です。この免疫の暴走によって、全身の様々な場所で炎症が起こります。そして、その炎症のサインとして、発熱や倦怠感、そして皮膚症状である蕁麻疹が現れることがあるのです。代表的な膠原病には、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)などがあります。もし、長引く蕁 मात्रा疹と熱に加えて、「関節が痛む、朝こわばる」「日光に当たると皮膚が赤くなる」「口内炎ができやすい」「髪の毛が抜けやすい」といった症状が伴う場合は、これらの病気の可能性を考え、リウマチ・膠原病内科などの専門医に相談することが重要です。また、近年注目されているのが、「自己炎症性疾患」です。これは、免疫システムの中でも、外敵の侵入をいち早く察知する「自然免疫」が、異常に活性化してしまうことで、周期的に発熱や発疹を繰り返す病気群です。その中には、蕁麻疹によく似た皮疹を特徴とするタイプ(クリオピリン関連周期性症候群など)もあります。これらの病気は非常に稀ですが、遺伝子検査などで診断が可能です。その他にも、甲状腺の病気や、ごく稀ではありますが内臓の悪性腫瘍などが、慢性的な蕁 मात्रा疹の原因となっていることも報告されています。このように、長引く蕁麻疹と熱は、単なる皮膚の問題ではなく、全身からのSOSサインである可能性があります。皮膚科での治療で改善しない場合は、内科的な視点から原因を探るため、詳しい血液検査などを含めた精密検査を受けることを強くお勧めします。
蕁麻疹と熱が長引くなら膠原病や内科の病気を疑って