突発性発疹という言葉を聞くと、誰もが赤ちゃんの病気というイメージを抱くでしょう。しかし、実際に看病をしているお母さんやお父さんから、自分にもうつるのではないか、という不安の声を耳にすることがあります。特に、子供の高熱が続いている最中に自分も体がだるくなったり、微熱が出たりすると、もしや自分も突発性発疹になったのでは、と疑ってしまうのも無理はありません。結論から申し上げますと、大人が突発性発疹を発症することは極めて稀です。というのも、日本人の成人の九割以上は、幼少期にすでにこのウイルスの感染を済ませており、体内に強固な抗体を持っているからです。そのため、子供が発症して至近距離で看病していても、大人が再び同じ症状に悩まされることはまずありません。ただし、非常に稀なケースとして、何らかの理由で免疫力が極端に低下している場合や、幼少期にたまたま感染を免れていた大人が初めてウイルスに接した場合、発熱や発疹といった症状が出ることがあります。大人がかかった場合は、子供よりも重症化しやすい傾向があり、激しい全身の倦怠感や高熱、さらには肝機能の異常などを伴うこともあるため注意が必要です。また、突発性発疹のウイルス自体は大人にうつるというより、大人の体内に潜伏していたウイルスが、自身の疲労やストレスによって再活性化し、帯状疱疹のような形で別の症状を引き起こす可能性は否定できません。看病中のお母さんが感じる体調不良の多くは、看病による寝不足や精神的なストレス、あるいは子供の風邪を同時にもらってしまったことによるものと考えられます。突発性発疹の原因ウイルスであるヒトヘルペスウイルスは、一度感染すると神経節などに潜み続け、私たちの生涯にわたって共生します。赤ちゃんが不機嫌になって泣き止まない不機嫌病の時期、親も心身ともに疲弊し、免疫力が落ちがちです。自分にはうつらないからと油断せず、しっかりと栄養と睡眠を取り、体調管理に努めることが、結果としてお子さんの早い回復を支えることにつながります。うつるリスクは低いとはいえ、最低限の衛生管理、例えばオムツ替えの後の手洗いや、食事の際の食器の使い分けなどは継続して行うべきです。それは、突発性発疹以外の感染症を防ぐという意味でも、非常に大切な習慣だからです。
赤ちゃんの不機嫌病と言われる突発性発疹は大人にもうつるのか