「熱中症が怖いから水を飲むけれど、飲めば飲むほどトイレが近くなって、結局喉が渇く」という悩みを持つ人は少なくありません。このジレンマに陥っているとき、体内では摂取した水分が有効活用されず、素通りしている状態にあります。このような人が健康管理の上でまず見直すべきは、細胞の「保水力」を高めることです。私たちの体細胞が水分を保持するためには、細胞内のカリウムと細胞外のナトリウム、そしてマグネシウムなどのミネラルが適切な比率で存在している必要があります。真水ばかりを飲んでトイレの回数が増える人は、これらのミネラルバランスが崩れ、細胞が水分を拒否している状態です。健康管理の第一歩として、水分補給の際には「塩分」に加えて「カリウム」を意識的に摂取することをお勧めします。バナナやキウイ、あるいは麦茶に少量の塩を加えたものなどが、細胞の保水力を高めるのに役立ちます。また、食事そのものが熱中症対策であることを忘れてはいけません。一日の水分の約三割から四割は食事から摂取されるため、三食をきちんと食べることは、自然と塩分と水分を同時に、かつゆっくりと吸収することに繋がります。朝食を抜いて水だけを飲んで出かけることが、いかにトイレを近くし、熱中症リスクを高めるかを理解する必要があります。さらに、トイレの回数が増えることを気にして、逆に水分を極端に控えてしまうことは最も危険な選択です。もし頻尿が気になるのであれば、水分の「摂り方」を変えるべきで、「量」を減らすべきではありません。具体的には、一度に喉を鳴らして飲むのではなく、口に含んで少しずつ飲み下す「ちびちび飲み」を実践してください。これにより、胃腸への負担が減り、腎臓が急激な水分過多に反応して尿を作るのを抑えることができます。また、アルコールや栄養ドリンクなど、利尿作用のある飲み物を日常的に摂取している場合は、その習慣が熱中症のリスクを底上げしていることを自覚すべきです。健康管理とは、自分の体の反応を正しく読み取り、調整することです。トイレの回数が増えるという不快な症状を「ただの体質」で終わらせず、飲み方や栄養バランスを見直す機会と捉えることで、過酷な夏を無事に乗り切るための強靭な体を作ることができるのです。
熱中症対策で水分を摂るほどトイレが近くなる人の健康管理