健康診断の結果表を手に取ったとき、尿たんぱくの陽性反応やクレアチニン数値の上昇、あるいはeGFRの低下という項目を見て、一体何科に行けばいいのかと途方に暮れる方は少なくありません。腎臓は私たちの体内で血液をろ過し、不要な老廃物を尿として排出する極めて重要な役割を担っていますが、その不調を扱う診療科には大きく分けて二つの選択肢があります。それが腎臓内科と泌尿器科です。この二つの違いを正しく理解することが、適切な治療への第一歩となります。まず、腎臓内科が担当するのは、主に腎臓のろ過機能そのものに問題が生じているケースです。例えば、慢性腎臓病、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、あるいは各種の腎炎などがこれに該当します。血液検査の数値に異常がある場合や、尿にたんぱくが混じるといった、いわゆる内科的なアプローチが必要な状態では、腎臓内科が最も適切な窓口となります。ここでは薬物療法や食事療法を駆使して、腎機能の低下をいかに食い止めるかという長期的な管理が行われます。対して泌尿器科は、腎臓の構造的な問題や、尿の通り道に関連する物理的なトラブルを扱います。腎結石や尿管結石、腎臓がん、あるいは前立腺肥大に伴う排尿障害などがその代表です。血尿が出た際や、背中に激痛がある場合、あるいは画像検査で腎臓に影や石が見つかった場合には、泌尿器科の専門領域となります。外科的な処置や内視鏡を用いた治療が得意なのがこの診療科の特徴です。もし、どちらに行けばいいか判断がつかない場合は、まずは一般的な内科やかかりつけ医を受診するのも一つの手です。そこで行われる検査結果に基づいて、内科的な管理が必要なら腎臓内科へ、結石や腫瘍の疑いがあれば泌尿器科へと紹介を受けることができます。最近では腎臓内科と泌尿器科を併設している病院も多いため、そのような医療機関を選ぶと連携がスムーズです。腎臓は一度機能が著しく低下してしまうと、元の状態に回復させることが非常に難しい臓器です。そのため、何科に行くか迷って受診を先延ばしにすることが最も避けるべき事態です。自分の症状や指摘された項目が「機能」に関することなのか「構造」に関することなのかを冷静に見極め、適切な専門医の診断を仰ぐことが、将来的な透析導入を防ぎ、健康な生活を維持するための鍵となります。