夜中に突然、全身のかゆみと蕁麻疹、そして熱っぽさで目が覚めた。すぐに病院へは行けないけれど、このつらい症状を少しでも和らげたい。そんな時に、あくまで医療機関を受診するまでの「つなぎ」として、家庭でできる応強処置を知っておくと、パニックにならずに済みます。ただし、息苦しさなどアナフィラキシーを疑う症状がある場合は、これらの処置を試すのではなく、直ちに救急車を呼んでください。まず、蕁麻疹のつらい「かゆみ」と「腫れ」に対して最も有効なのが、「冷やす」ことです。蕁麻疹は、血管が拡張して血漿が漏れ出すことで起こります。冷やすことで血管が収縮し、症状の悪化を抑えることができます。濡らした冷たいタオルや、タオルで包んだ保冷剤などを、かゆみの強い部分に優しく当てましょう。心地よいと感じる程度の冷たさが目安です。逆に、体を温めるのは厳禁です。入浴は、熱いお湯に浸かると血行が良くなり、かゆみが一気に増してしまうため、ぬるめのシャワーで汗を流す程度にしましょう。次に、絶対にやってはいけないのが、「掻きむしる」ことです。掻けば掻くほど皮膚が刺激され、さらにかゆみの原因物質であるヒスタミンが放出されて、蕁麻疹が広がるという悪循環に陥ってしまいます。どうしても我慢できない時は、掻く代わりに冷やしたり、軽く叩いたりして気を紛らわしましょう。爪を短く切っておくことも大切です。服装は、皮膚への刺激が少ない、ゆったりとした綿素材のものを選びましょう。締め付けの強い下着や、チクチクする素材の服は避けてください。そして、発熱を伴う場合は、脱水症状を防ぐために「水分補給」を忘れずに行い、安静にして「体を休める」ことが基本です。食事については、原因が特定できていない段階では、アレルギーの可能性がある食品や、ヒスタミンを多く含むとされる青魚、アルコール、香辛料などの刺激物は避けた方が無難です。これらの応急処置で一時的に症状が楽になったとしても、それは根本的な解決ではありません。蕁麻疹と熱の原因を突き止め、適切な治療を受けるために、症状が落ち着いたら必ず医療機関を受診するようにしてください。
蕁麻疹と熱が出た!病院へ行く前に家庭でできる応急処置