あれは数年前の冬のことでした。朝起きたときに少しだけ喉に違和感がありましたが、私はいつものように仕事が忙しいことを理由に、市販の栄養ドリンクを飲んで出社しました。風邪で病院に行くべきかという迷いは一瞬頭をよぎりましたが、熱もないし、仕事に穴を開けるわけにはいかないという責任感が勝ってしまったのです。昼休みになると喉の痛みは増し、鼻水も止まらなくなりましたが、それでもまだ自分の中では想定の範囲内でした。市販の風邪薬を飲み、定時までなんとか勤め上げ、その日は早めに就寝しました。ところが、翌朝の状態はさらに悪化していました。体全体が鉛のように重く、熱を測ると三十九度近くまで上がっていました。それでも私は、風邪なんて寝ていれば治ると過信し、病院へ行くのを一日先延ばしにしました。この判断が後に大きな後悔を生むことになります。三日目、熱は下がったものの、今度は激しい咳が止まらなくなりました。夜も眠れないほどの咳に襲われ、ようやく事の重大さに気づいた私は、重い足取りで近くの内科クリニックを受診しました。医師の診断は、風邪からこじらせた気管支炎でした。もっと早く来ていれば、ここまで悪化することはなかっただろうという言葉が胸に突き刺さりました。結果として、私は一週間の欠勤を余儀なくされ、職場には多大な迷惑をかけることになりました。もし最初の違和感があったときに、無理をせずに病院へ行き、適切なアドバイスと処方薬をもらっていれば、これほど長引くことはなかったはずです。この経験から学んだのは、自分の体調を過信せず、少しでも普段と違うと感じたらプロの診断を仰ぐことの大切さです。特に、市販薬で一時的に症状を抑えて頑張ってしまうと、本当の病状が見えにくくなり、かえって事態を深刻化させてしまうことがあるのだと身をもって知りました。病院に行くべきかどうかを迷う時間は、体が休養を必要としているサインでもあります。その後、私は風邪気味だと感じたら、まずは無理をせず早めに近所の病院へ相談に行くようにしています。早めの対処は結果として自分を助け、最短期間で日常生活に戻るための賢い選択なのだと確信しています。