それは、私が体調を崩して一週間ほど入院していた時のことでした。病気への不安で心が弱っている中、担当してくれた看護師の一人が、あまりにも事務的で冷淡な態度を取ることに深く傷ついていました。点滴が漏れて痛みを訴えても「これくらい我慢してください」と一蹴され、ナースコールをしてもなかなか来てくれない。忙しいのは分かっていましたが、その時の私には彼女の対応が耐え難い苦痛となっていました。退院の日、私はこのまま黙って帰ることはできないと思い、病院の一階にある患者相談窓口を訪ねることにしました。病院の苦情はどこに伝えればいいのか、受付で聞くのさえ勇気がいりましたが、案内された部屋には穏やかな表情の女性スタッフが座っており、私の話をじっくりと聞いてくれました。私は感情的にならないよう気をつけながら、いつ、どこで、どのような言葉をかけられ、どう感じたのかをできるだけ具体的に伝えました。窓口のスタッフは、決して私の話を否定することなく、メモを取りながら「それはお辛かったですね」と共感を示してくれました。それだけで、私の胸の支えが少し軽くなったような気がしました。スタッフの説明によれば、頂いた意見は関係部署に伝え、看護部全体で接遇の改善に取り組むとのことでした。正直なところ、伝えたところで何かが劇的に変わるとは思っていませんでした。しかし、後日、その病院のホームページに掲載されている「患者様からの声」というコーナーに、私の指摘に基づいた改善策が回答として示されているのを見つけ、勇気を出して伝えて良かったと心から思いました。病院という場所は、患者にとって弱みを見せる場所でもあります。だからこそ、そこで受けた不当な扱いや不快な思いは、自分の中に溜め込んでしまうと、いつまでも心の傷として残ってしまいます。病院の苦情をどこに伝えるか迷っている人がいるなら、私はまず、その病院にある相談窓口を訪ねてみることをお勧めします。病院側も、患者からの声を喉から手が出るほど求めている場合があります。それは病院を責めるためではなく、より良い医療の場を共に作っていくための対話なのだと感じることができました。窓口で話を聞いてもらうという行為自体が、私にとっては一つのセラピーであり、病気からの本当の意味での回復を助けてくれたような気がしています。