家族の中に、最近よく「手が震える」と言ったり、食後にひどく眠り込んでしまったりする人がいる場合、それは低血糖の兆候かもしれません。家族として、どのような状態になったら病院へ連れて行くべきか、あるいは救急車を呼ぶべきかという判断基準を持っておくことは、大切な人の命を守ることに直結します。まず、本人が意識をしっかり持っており、自分でブドウ糖を摂取できる状態であれば、まずは糖分を摂らせて落ち着かせることが先決です。しかし、その後で「もう大丈夫」と言う本人の言葉を鵜呑みにして受診を止めてはいけません。特に、薬を飲んでいるわけでもないのに低血糖が起きた場合は、体の糖代謝機能そのものに異常が生じている証拠ですので、必ず翌日にでも内科を受診させてください。一方で、緊急を要するケースについても知っておく必要があります。呼んでも返事がない、視線が定まらない、異常に暴れる、あるいは痙攣を起こしているといった場合は、迷わず救急車を呼ぶべきです。この段階では脳のエネルギーが極限まで不足しており、一刻も早いブドウ糖の静脈注射が必要です。また、低血糖を繰り返している家族がいる場合、本人が症状に慣れてしまって「いつものことだから病院へ行く必要はない」と思い込んでいるケースが多々あります。しかし、周囲から見て、性格が以前より怒りっぽくなった、物忘れが激しくなったといった変化がある場合、それは慢性的な低血糖による脳への影響が疑われます。病院へ行くべきか迷ったときは、本人の意思だけでなく、客観的な周囲の観察結果を優先してください。医師の診察を受ける際は、家族が目撃した症状をメモして持参すると非常に役立ちます。何時頃にどのような症状が出たか、食事との間隔はどうだったか、顔色はどのようだったかといった情報は、原因特定のための大きな手がかりになります。家族という最も身近な観察者が、低血糖の深刻さを正しく理解し、受診を促す勇気を持つことが、悲劇的な事故を未然に防ぐ鍵となります。
家族が低血糖で倒れないために知っておくべき緊急受診のサイン